変化する納骨堂の意義
2024年01月04日
納骨堂は、火葬された遺骨を納める構造物です。
お墓を見たことがないという人は珍しいでしょうが、納骨堂を目にしたことがない人は決して少なくありません。
日本では、福岡県と北海道に納骨堂が集中しています。厚生労働省の発表によると、平成17年時点で全国には11,841件の納骨堂が存在し、そのうち福岡県が3,274件(全体の28%)で最も多く、次いで北海道が1,756件(全体の15%)を占めています。
炭鉱の町と納骨堂の関係を指摘する見方もあります。炭鉱で働くために故郷を離れた人が亡くなった際、いずれ故郷に戻ることを望む遺族が遺骨を一時的に預ける施設として納骨堂が利用されたと言われています。
「墓地、埋葬等に関する法律」では、納骨堂が遺骨の一時預かり施設であるとの前提がありますが、現在の状況は異なります。墓じまいや永代供養を目的とした納骨堂が出現し、遺骨の最終的な行き先としての機能が期待されています。行政もこの動きに対応し、納骨堂の地下に合葬用の施設を設ける計画もあります。
日本古来の伝統としてのお墓の変化について語る人は多いですが、葬送のあり方は想像以上に多様化しているようです。
(株式会社366 代表取締役 伊藤照男)
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